カテゴリ:ヨセミテの初夏( 11 )

Bruce Lee(V8) Day2  

翌日、朝食を済ませ気温が上がらぬうちにそそくさとBruce Lee(V8)をトライしに行った。

この課題は、少しでも気温が汗ばむくらいに高くなったり、体温が上がって指先を汗で湿らせるようになると、全く保持出来なくなった。
だから、一度トライしたら指先の血行がおとなしくなるまで、待機していた。
しかし、どちらにせよ非常にホールドが細かく、指にかかる負担も強かったので、そこまで頻繁に登れないけれど・・・。

前日に、完登間近までムーブを解決したのだが、最後のムーブで行き詰っていた。
マーブーのMおさんは、左手の3本カチを保持したら、すぐにガバへ右手でランジしていたが、ぼくがそれをやると、10センチも届いてなく、あまり現実的ではなかった。
そこで、そのガバから10センチほど右下にあるスローパーぎみのガバをとることにした。
力をこめて、それをとりにいくがやはりムーブが悪く、あと少しで届かなかった。

左手で保持する、3本指極小カチを何度も保持するうち、段々左の指が痛くなってきた。
特に薬指が。

この時、若干途方に暮れながら考えていたのは、好きな女性が誘ってきて、でもこっちが近づくとのらりくらりと離れていく、そのときのいらだちや意味が分からないところが、岩との対話にも通じるものがあるとふと感じた。
早くムーブを解決しないと、いたずらにトライ数を重ねれば左手が壊れてしまうだろう。

どうすればこの課題を登る最後のピースが見つかるのだろう?ひたすら考えたのち、ふとひらめいた。
ガバとりに行く前に、中継なら保持できるカチをもってみることにした。
これを一旦中継すると、スローパーガバへ届くことが分かった。

少し休んだのち、トライした。
気づくと、右手は完全にガバを保持していた。
左手も、スーパーガバをつかんだ。この時、心に歓喜が満たされようとしたが、すぐに押し込めた。まだマントルを返していないし、すでに地上から4メートル。しかも真下にマットはない。
慎重に2手をこなし、岩の上に立つことが出来た。本当に心の底から喜ぶことが出来た。

それは、スポートクライミングや、トラディショナルクライミング。縦走を成し遂げたときに感じる、各々の達成感とは全く違う、こどものように純粋な嬉しさだった。


もうブルース・リーの岩ともお別れだ。散々トライしに来たけれど、もうここにくることは多分ないだろう。ジャッキー・チェンは難しすぎるし。さようなら、ブルース・リー。

ふらふらとキャンプ4ボルダーを歩いているうちに、ふと、ヒットマン(V5 1級)が目に入った。
ついさっき絶頂を味わったばかりだったからか、オンサイトしてしまった。


キャンプ場に戻ると、ジュニアさんと会った。
もうずっと天気悪いからヨセミテを離れようとジュニアさんは言った。
ぼくは、ブルース・リーとさっき別れを済ませたからか、もはや未練は全くなく同意することにした。
夕食を済ませたのち、雨脚が強くなってくるなか撤収を終わらせ、キャンプ4の駐車場をでた。
最後にキャンプ4の目の前にある岩壁、ミドルブラザーズを見た。

やっぱり、ちょっと未練があったようだった。さようなら、ヨセミテ。


ヨセミテの初夏 終わり。



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Bruce Lee(V8)
by kaitin-yusei | 2010-11-25 00:22 | ヨセミテの初夏

Bruce Lee(V8) Day1

キャンプ4での生活は、厳しいマルチやショートルートをやる日以外は、非常にのんびりだ。

ゆっくりと起床し、朝食を作る。
ぼけーと昼過ぎまで過ごし、お腹が減ってきたら昼食を食べる。

同じテントサイトのクライマーがビンビールを飲んでいるのを見て、ぼくもビールを無性に飲みたくなった。
がさごそとフードボックスを漁り、おもむろに缶ビールをだす。

昼間からビールを飲んで、案の定昼寝をしてしまう。

夕方になり、気温が低くなってきたなと感じると、体が不完全であるがクライミングマシーンと化してくる・・・。



この日も、いつものようにお馴染みのボルダーでアップする。
そして、今回、数多あるルート、課題のなかで、唯一ぼくを受け入れてくれたあのボルダーへ向かった。

スタートのスローパーを右手でつかみ、左手を持ちやすいサイドカチをもつ。右足をよくすべる極小フットホールドに置き、一気に左足を手に足をする。最初のトライで離陸に成功。
そのまま起き上がり、左手を握りつぶすようにアーケをもつ。以前より、明らかに感触がよくなっていた。
足位置はそのままで右手をピンチホールドへ。これも、感触はよい。
そして、足をハイステップをし、右足をスタートのスローパーに置くが、これが心もとない。

何度かトライしていると、その次の一手、以前は全く止まる気配もなかった、三本指アーケに止まるようになった。そして、一度だけだったが、右手でガバをとりにランジをすることが出来た。
そこまでムーブを固めるまでに日が暮れてしまった。
一日で完登する自信があっただけにちょっと残念だったが、翌日に持ち越すことにした。
by kaitin-yusei | 2010-11-11 23:47 | ヨセミテの初夏

Ahwahnee Boulders  day 2

一人でアワニーボルダーに行った。

前に登りにきた時にもいた、犬連れのカップルがいた。


アップをしたあと、例のV9をトライしようと行ってみると、若者ボルダラー(エラそーに言える立場ではないが)が数人、その隣の課題に取り付いていた。何だか一人でのんびりやりたい気分だったので、彼らがどこかに移動するまで昼寝をすることにした。

アワニーボルダーのあるホーストレイルからちょっと離れた岩のごろごろしている所(要はロイヤルアーチの岩壁方面)を30秒歩くと偶然快適そうな岩小屋を発見した。

そこにクラッシュパッドを敷いて寝るが、相変わらず良くない天気により、時よりぱらつく雨や強風であまりよくは寝られなかった。
天気が怪しかったので、早々にトライしに行くと、すでにそこには誰もいなかった。

前回解析したムーブを体が思い出すまで練習し、大分慣れてきたところでつなげてトライする。
下部の核心部分を登りきった段階で完登を確信したが、上部の垂壁部分で足が滑ってしまい、落ちてしまった。
一度練習したときに割りとすんなりいけたので、ちゃんとムーブを確認しなかったのがまずかったようだ。
あと、核心をこなした後は想像以上に体がヨレていた。それも念頭に入れて上部をこなさないといけないようだった。

休んだ次のトライで無事完登することが出来た。
先ほどの若者ボルダラーが応援してくれたのも、良かったのかもしれない。


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Pugelist(V9)
by kaitin-yusei | 2010-07-28 23:11 | ヨセミテの初夏

Camp4 Boulders

失敗に懲りて、この日はちゃんと寝坊することなく、キャンプ4の受付に並ぶことができた。
無事受付を済ませたあと、テントをたてたり食料を運んだりした。

天気予報だと天気はこれから崩れる予定だったので、特にやることはなく、二人でボルダリングをすることになった。
キャンプ4ボルダーの簡単なV3程度の課題で遊んだりしていたが、ぽつぽつと雨が降ってきたので、中断することにした。

ぼくは、ふとBruce Leeという昨年登れなかった課題を見たくなり、行くことにした。
昨年よりはチョーク跡は少なかったが、全く変わらないそれがあった。
ぼくはおそるおそる、Bruce Leeのスタートホールドを触った。

その瞬間に、ぼくは、完登を確信したのだった。
理屈でいえば、昨年かなりの時間を費やしてトライしたので、ホールドの感触で分かるというのもあるだろう。しかし、理屈を超越するくらいの絶対的な自信で、この課題を登ることができると感じ得たのだ。
それと同時に、ぼくは今回ヨセミテに来て初めて、ここに来れて良かったと、心の底からそう思い、非常に幸せな気分になったのだ。

その後、本格的な降雨となり、ヨセミテロッジの食堂に避難した。
一週間天気予報を見てきたジュニアさんが、これからずっと天気が悪いから、他の岩場に移動しないかと提案した。
Bruce Leeのことがちょっと頭に浮かんだが、何も出来ないんじゃしょうがないと納得し、あわただしく準備しだした。
しかし、二人とも落ち着いて考え出すと、天気の良い二日後まで様子を見てみようということになった。
ぼくは、とりあえずアワニーボルダーのV9を明日トライすることに決めたのだった。

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Bruce Lee(V8 二段-)全景
by kaitin-yusei | 2010-07-23 23:23 | ヨセミテの初夏

Ahwahnee Boulders

ハーフドームから降りてきて駐車場に着いた時間がそこまで早くなかった。キャンプ4はすでにいっぱいだろうと思ったので、とある場所(レンジャーに見つかるとやばいところ??)でテントを張って寝ることにした。

翌朝ちょっと寝坊しながらもキャンプ4の受付に並んだ。
一時間以上待って現れたレンジャーは、キャンプ4の住人(要は貧乏クライマー)に非常に評判の悪い、「P」だった。
ぼくも「非常に」嫌いだったので、多少不吉めいた予感を感じたのだったが、果たしてぼくの番が来ると、「No space」と、極めてそっけなく言われることになった。
ちったあ親切に言えんのかい!!と憤慨しつつも、しょうがないので元の駐車場に戻り、夕方まで各自自由行動にすることにした。

一人でアワニーボルダーに行った。
去年から気になっていた、V9をトライしてみた。
各パートごとではあるが、ムーブを起こすことはできた。
手ごたえを感じた後、そのすぐ近くにあるSilly Roof(V7)という課題を登ってみることにした。
ルーフのガバから傾斜のなくなるカチをとるムーブを発見するのに、ちょっと苦労したが完登してみると、やはり呆気なかった。

他にも数組ボルダラーがいたが、みんな静かにトライしているのが印象的だった。
由緒あるアワニーホテルのかたわらにある、ボルダリングエリアだからこそなのかもしれない。

夕方、トレイルヘッドの駐車場に戻り夕食を済ませると、また某所に入って寝ることにしたのだった。



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[注意]よい子はリスくんと鬼ごっこをしてはいけません。
by kaitin-yusei | 2010-07-22 23:54 | ヨセミテの初夏

Half Dome~John Muir Trail

もうハーフドームは登らないと決めていたので、のんびり起床した。
すると人の声がするのでそちらの方を見ると、レギュラーあたりのラインを早いペースで登攀しているクライマーがいた。
レギュラーを登攀しているのであれば、ワンディで頂上に抜ける気だろう。

ほんの一瞬口惜しい気持ちになったが、切り替えて帰る準備を始めた。
しかし、帰幕するにしても昨日散々手こずったアプローチを下降するのかと思うと、かなり憂鬱だった。
ジュニアさんは、もう一つのアプローチである、ハーフドームを左から巻いてジョン=ミュア・トレイルに合流する道を行こうと主張した。

ぼくは、雪がベッタリの基部をトラバースするのは今の装備では少なからずリスキーではないかと思ったが、ジョン=ミュア・トレイルに合流してしまえば、距離的に長いので肉体的には疲れるにしても、精神を磨り減らすことは無くなるので、そちらのプランに合意した。
だが、実際基部は雪がベッタリで遅々として進まない。
レギュラーの取り付きに着くまでに一時間程かかった。
ここの湧水で心行くまで水分補給したあと、さらに雪面を歩き出す。

ハーフドームの端まで歩けばトレイルはもう近いかと思っていたが、そこまで行ってふと見ると、広大なスラブにまた残雪がついていている。
まだ先か…。しかも、意外と傾斜があった。ピッケルとしっかりした登山靴があれば全然問題ないのだが、今の自分達にはかなりのプレッシャーを感じた。
そして高度感。
ジュニアさんが思わず「滑落したらどうなるだろう?」と漏らした。
この時程、ピッケルが欲しいと思ったことはないだろう。
せめてロックハンマーでもあればよかったが、石突きのついてるミゾーのハンマーは駐車場に置いてきてしまった。
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ピッケルが欲しい…。

ピッケルがほしい…。

ピッケルガホシイ…!!


途中から、ハーフドームに取りついた二人組のトレースを辿りながら(彼らはちゃんと登山靴とピッケルを持参してたようだ)二時間ほど慎重に歩き、ようやく傾斜が落ちてきて人の声も聞こえてきた。
人の多い登山道からは離れて休憩をとっていると、自然と二人とも笑顔が戻ってきて饒舌に色々話しだした。

やはり登山道に合流してから暫くは残雪が多く、雪面を歩くことになったが、標高を落とすにつれて段々と暑さを感じるようになった。
観光客とたくさんすれ違いながら降りていくと、すごい水量の滝が現れた。
ヨセミテフォールの3分の一くらい??それでも、間近で見るそれはぼくに驚きと癒しを感じさせてくれた。
濁流という表現ぴったりの川や、雨のようにぬれてくる滝の脇をくぐったりして、これもヨセミテの魅力なのかと思いながら歩く。
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ハッピーアイルまであともう少しというところで、二人ともぐったりとして休んでいると、割とかわいいと思える東洋人の女の子が通って行った。
とりあえず、あの子を追いかけるつもりでまた歩こう。

靴擦れになりかけている足の痛みに耐えながら、ようやく駐車場に着いた。
当初の目的は全く果たせなかったが、無事帰ることができたという充実感が、体いっぱいに満ちてきたのだった。
by kaitin-yusei | 2010-07-20 14:03 | ヨセミテの初夏

Half Dome Regular

午前までは、ハーフドーム登攀のための準備をしたり、買い物したりパソコン室に行ったりして過ごす。
昼過ぎになって、トレイルヘッドパーキングに駐車し、食料もフードボックスにいれ、パッキングして出発した。
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ホールバックの荷物を少しでも軽くするため、このように分担することにしたが、結構不快だった。
なので、こまめに荷物を交代することにした。


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のちのち、観光客に「ヌードルモンスターだね!」といわれる・・・。



ミラーレイクを少々進んだところにある踏み跡から、アプローチする。
トポに記載してあるとおり、5.6~5.7までのクライミングしなければならないところには、フィックスロープがたれていたが、荷物を背負ってのゴボウやクライミングは厳しく、一度荷揚げをした。

2カ所くらいフィックスを通過すると、斜面に完全に水が流れていて、どうみても徒渉しなければならないようだ。どこから渉るべきかジュニアさんと意見が分かれて、ぼくはジュニアさんが裸足で通過した部分よりさらに50M程上流から渉ることにした。
しかし、意外と傾斜があって、結局断念したが、その上がってきた斜面も濡れていたりして悪かったので、結構つらいクライムダウンをするはめになった。
結局、ジュニアさんのルートファインディングが正解だった。
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最後のフィックスを無事通過して、やっと一安心と思っていたら、踏み跡の先に残雪がべったりついていた。
とてもピッケルなしでは通過出来ない傾斜だったので、仕方なく巻いて藪こぎをすることにした。
あれやこれやしているといつの間にか19時近くになっていた。
あと1時間で日が暮れる。ようやくハーフドームの目の前まで来て、あとは左にトラバースするだけだったが、ビバーク地を探すことになった。
幸い、広いテラスを発見して、そこでビバークすることにした。
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ビバーク地



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レギュラーはまだ先だ・・・



アプローチを歩いている時にずっと頭から離れなかったことが、二人とも全く一緒だったのは非常にびっくりした。もう登らない方がいいのではないか・・・。すでに登攀意欲は落ちていた。
実際まだ3Pフィックスするどころか、取り付きすらも到着していない。
3日後、雨の予報もでていた。そして、降るはずがないのに、夜から雨が降ってきた。

結局、明日はハーフドーム登攀はせずに、下山することになった。
by kaitin-yusei | 2010-06-16 23:54 | ヨセミテの初夏

After Six

ビッグウォールクライミングのために、フリークライミングもやっておこうということで話が一致し、ナットクラッカーを登りに行こうということになった。

ピクニックエリアに行くと、案の定ナットクラッカーは、遠目に見ても非常に混んでいるのが分かった。
しょうがないので、誰も取り付いていないマルチピッチのアフターシックスを登ることにした。

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まあ、当たり前といえば当たり前だが、あっけなく終わってしまって、全くトレーニングにならなかった・・・。

でも、歩いて降りてきて片づけをしているとぽつぽつ雨が降ってきたので、無理にナットクラッカーに取り付かなくて良かったと思った。


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下降を終えてピクニックエリアに向かう




夕方から、ハーフドームの登攀のためのギアの準備をして、その後夕食を済ませたあと、一人でボルダリングをすることにした。
ジュニアさんの作ってくれた(ぼくも当然手伝った)料理をたらふく食べてしまったので、一人でコーヒーをすすりながら、ぼーとしていた。
ヨセミテに来てからというもの、あまりよくない出来事が多かった。
ぼくの腕時計は壊れる、ジュニアさんのパソコンも故障する・・・。
ヨセミテは、ぼくらの訪問をほとんど歓迎していないような気がしたし、ぼくはぼくで、すでにヨセミテから心が離れかけていた。
早く日本に帰りたいと願っていた。
あるいは、他の国の岩場にいきたいと思っていた。その第一候補が中国の桂林だった。

午後10時位になって、例のタイタニックボルダーに行った。
「The Bulge Traverse(V7)」を本気トライを始めて、2,3回で完登することが出来た。
この課題は、ヨセミテ内にあるV7のなかでも、難しい部類に入ると思うので、本当にうれしかった。
by kaitin-yusei | 2010-06-15 23:55 | ヨセミテの初夏

Washington Column 「South Face(Ⅴ5.8 C1)」

ビッグウォールクライミングの本格的なトレーニングを行うことにしたので、入門ルートとして有名なワシントン・コラムのサウス・フェースに登りに行くことになった。
トポを見る限り、一部5.11台のクラックのピッチも含まれるが、オール・フリーでいけるルートでもある。

アワニーホテルの駐車場に車を置いて、そこからホーストレイルを歩いて取り付きにゆく。
1Pはぼくがリードすることになった。
フリーで登っても非常に簡単ではあるが、エイドの練習を主にやるつもりだったので、クライミングシューズは持参せず運動靴でリードした。
しかし、一部フリーで行かないとどうしょうもない部分もあったりして、とても怖い思いをした。

後半部分で左にトラバースぎみに進まないといけないのに直上してしまい、最後にエイドでもフリーでもお手上げ状態になってしまって大変だった。
無理矢理フリーで突破して(勿論運動靴で)、その後キャメロットC3の1番を決めて全体重をかけたら、突然すっぽ抜けてしまった。
壁に完全にくっついていたので、文字通り大根下ろしになってしまって、左の前腕に擦り傷をつくってしまった。
落ちたことにより、振り子で元のラインに戻れたので良かった。
ジュニアさんは恐怖のトラバースをするハメになってしまったが・・・。
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1ピッチ目の終了点


2ピッチ目はフリーで行くと11c。
1ピッチ目と違い、壁が被っているのでエイドしやすい。ぼくリード。
このピッチはそこそこ長かったので、最後の方は単調なアブミの掛け替えに飽きてしまって、苦痛になってしまった。
ぼくが、フリークライミング畑出身だからという訳ではないと強く思うが、絶対にエイドよりフリーの方が合理的だし、何より楽しいと思った。
ぼくは、このピッチでエイドクライミングは正直お腹いっぱいになってしまった。
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2ピッチ目が終わった段階で、すでにリミットまであと1時間くらいになっていたので、次のピッチで下降することにし、ジュニアさんがリードすることになった。
3ピッチ目はエイドで前進するというより、フリーですいすいいった方がよかったようだった。運動靴でいくより、ちゃんとクライミングシューズ履いてエイドした方がよいと、この時学んだのだった。

下降は、荷下げが加わるので少々めんどくさく、慣れていないので時間がかかってしまったが、一応敗退時のロープワークも学ぶことが出来た。


夕方から再び一人でボルダリングをすることにした。
タイタニックボルダーの、V7の後半部分にあたるV6をトライすることにする。
この課題は昨年すでに完登しているが、確認がてらもう一度登ることにしたのだ。
最後にガストンぎみのリップにランジするので、失敗すると半回転しながら落ちるが、今回は特に怖さは感じなかった。
予想外に時間がかかってしまったが、再び完登することが出来た。
トラバースから、V6に合流するムーブも確認した。あとは繋げるだけになった!
もう大分前に暗くなった道をヘッドランプを灯しながら帰ることにした・・・・が、途中明かりが動物の目に反射した!ぜってぇブラックベアだよな~。
ここの森に最低1頭は定住している気がする・・・。
by kaitin-yusei | 2010-06-11 15:47 | ヨセミテの初夏

ヨセミテ国立公園入園~El Capitan Base

早朝4時には起床し、Camp4に向かう。

6時にCamp4に到着し、並ぶことにした。すでに先客がいた。
この時期は、すでにヨセミテ・バリーでは行楽シーズンを迎えており、Camp4を含むすべてのキャンプ場、並びにすべての宿泊施設はFULLだ。
この時期すでに毎日の様にCamp FULLになるCamp4が、1番宿泊出来る可能性がある場所だというのだから、如何に人が多いか想像に難くないだろう。

2時間のあいだ、交代で並び、無事受け付けることができた。
その後、テントをたてたり沢山買い出しした食料を運んだりした。

もう、Camp4にはたくさんの思い出でいっぱいだ。
特に昨年のヨセミテは本当に楽しかった。
そして、Camp4に来たら、きっとこういう感情に支配されるであろうということもわかっていたが、楽しい思い出の中には、すでに思い出すだけで悲しくなるようなこともある。
出会いと別れ、それがこれほど心に深く刻まれることに、今までまったく知らなかった。
それでも、夢に見る程の憧れの地、Camp4に来たのだから、感動の一つでもあるのかと思いきや、そういうのは全くなく、むしろ冷たいほどのよそよそしさしか、感じることが出来なかった。

用事を済ませると、さっそくエイドクライミングの練習をしに、エルキャピタンベースにいくことにした。
フリークライミングのトポは二人とも持っていなかったが、ここなら大体どのクラックがどれくらいのグレードか分かっているので問題はない。
週末なのでそこそこ混んでいたが、とりあえず空いていた5.8くらいのクラックで練習をすることにする。
ぼくは、今回が全くの初めてだったので、ジュニアさんに基本的なエイドの技術を教えてもらい、お互いリードとユマーリング、そして荷揚げの練習を一通りして、明るいうちにCamp4に引き上げることにした。

Camp4に戻った後、一人でボルダリングをすることにした。
昨年触ったが、全く出来なかったタイタニックボルダーのV7のトラバース部分を解決することが出来た。
それには、自分の成長にちょっとびっくりした。
後は、昨年登っているV6部分につなげるだけなので、次回やる時にもう一度登ることが出来れば、V7完登にかなり前進することになる。

完全に暗くなってから、Camp4に戻った。

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by kaitin-yusei | 2010-06-10 09:50 | ヨセミテの初夏


フリークライミングインストラクター・橋本明のブログです。日々のクライミングやスクールの模様を書いています。


by ちゃおべん丸

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屋号 ちゃおべん丸
名前  橋本 明

【公社 日本山岳ガイド協会】フリークライミングインストラクタ―
法政大学体育会山岳部コーチ



主な登れたルート
【スポートクライミング】
惊雷(5.14a)
Lightning(5.13d)
Gin&Tonic(5.13c)
門前払い(5.13b)
スティングレイ(5.13b)
四国第二国道(5.13b)
シンデレラボーイ(5.13a/b)
虎の穴(5.13a)
カリスマ(5.13a)
デジタルモザイク(5.13a)
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青島啤酒(5.13a)
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【クラッククライミング】
Cosmic Debris(5.13b)
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The Reckoning(5.12c)
春うらら2ピッチ目(5.12a)
Leave It to Beaver(5.12a)
タコ(5.12a)
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